長寿命エフェメリス デモ用受信機

弊社には、「おもしろそうなら試してみよう!」というベンチャースピリットな社風があります。

 

今回ご紹介するおもしろそうなモノは、極小コンピューター「Intel Edison」を使用した長寿命エフェメリス(LLE)デモ用受信機です。

 

エフェメリスとは、GPS受信機が測位を行うのに必要な衛星の軌道情報です。
通常は衛星から放送される有効使用期限が短いものを使用しますが、LLEは少々の測位精度劣化とトレードオフで7~30日間程度使用できるため「長寿命」という名がついております。

 

弊社は、このLLEの生成とネットワーク経由の配信をサービスの一つとしているため、LLEを利用した受信機による新しい発想のユーザアプリケーション出現により、LLEサービスが普及すること期待をしております。

 

そのためには、お客様やパートナーの皆様が、効果と使用イメージを実感できる受信機が必要です。デモ用受信機の開発に向けてはいくつかの取り組みを行っておりますが、その中の一つで「この組み合わせもおもしろそうじゃない?」「作ってみようか!」からはじまったのが今回の受信機です。

 

このデモ用受信機には、IoTデバイス作成キットとして注目されてきた「Intel Edison」とu-blox社製のGPS受信機を使用しています。

 

使い勝手の良い「Intel Edison」でしたが、悲しいことに生産終了になったようです。
(リンク:https://www.switch-science.com/catalog/1957/)
まだ在庫があるうちに、慌てて追加注文しました。

 

 

この受信機の目的は、LLEの「長寿命」がもたらす効果をデモによりアピールすることが目的です。「Intel Edison」がLLEを取得し 受信機が認識できる形式に変換して入力、受信機は放送エフェメリスに代わりLLEを使用させます。

 

通常の受信機は衛星から放送されるエフェメリスを約30秒程度かけて収集して、初めて測位が可能となります。

 

一方LLEを使用するこの受信機は、いつでも何度でも受信機を起動してから数秒で測位が可能となります。また、LLEはその名のとおり長寿命がゆえ、一度取得すれば少々の精度劣化と引き換えに、しばらくは再取得する必要はありません。例えば、貨物の中で数日間通信ができない環境から外界に出た瞬間に、きわめて短い時間で測位を終え、再びSLEEPするといった使い方で、小型化・省電力化を極めるといった効果が期待されます。

 

現在の開発状況は、ボタンでプログラムを起動するようにしてみたり、LEDを点灯させてみたりと色々と遊んでいるところです(写真) 。そうして遊びながら要素技術を押さえ、デモ用受信機として開発完了の目途が見えてきました。

 

デモ用受信機はこのほかにもいくつか準備する予定ですが、間もなくその中の一つ「おもしろそうなら試してみよう」からできあがった「おもしろいモノ」を皆様にお披露目したいと思います。ご期待ください。